ブラシシステム

ZBrushで制作する上で、メインのワークフローはブラシを用いたシステムです。これはグラフィックタブレットの筆圧と組み合わせて使用できます。ZBrushはリアルな絵筆や彫刻ツールを使ったような自然で繊細なタッチをペンの筆圧を用いて、デジタルストロークから再現します。つまむ(Pinch)、移動(Move)、表面を盛る(BuildUp)、スジ彫り(Chisel)、切り込み(Slice)を入れるブラシをはじめ、様々なブラシが存在します。既存の3Dモデルをブラシとしても使用し、それらをジオメトリとして表面に挿入することも可能です。

モデルの表面を収縮、拡張、膨張、重力によってドレープするダイナミクスシステムを用いてスカルプトを昇華しましょう。マスキングを用いてメッシュの一部をピン止めしたり、マスキングを用いて巻物のように自分自身に巻かれるユニークな動作も可能です。低解像度の平面にもリアルな布のシワや、衝突体積を有効にし、可視化されたメッシュの上に触れ、ドレープしていく様子をご覧ください。

布の表面に影響を与えるダイナミックスエンジンを活用した特別なブラシを開発しました。例えば、シワがどこに乗るかを描くことや、ジオメトリをつかんで作業空間上を動かしたり、リアルタイムにシワを描けます。ClothTwisterブラシは、布のひねりをシミュレートし、ClothWindは方向の沿った動きを可能とします。表面上でストロークを描いた位置に、ClothPinchTrailsは布を引き寄せたような曲線を描きます。

インサートメッシュブラシは登録したメッシュを挿入することや、カーブに沿って登録してあるメッシュを反復して配置したり、ブーリアンと組み合わせることが可能です。ロボットのネジや、シャツのボタン、パイプのセグメントなどを想像してみてください。それらを個別にスカルプトしていくよりは、インサートメッシュブラシを作成し、モデルの上に配置していった方が良いでしょう。ダイナメッシュプロセスと組み合わせることで、インサートメッシュブラシはZBrush機能の代表的なプレイヤーとなることでしょう。

Insert Mesh BrushesまたはIMMブラシは、メッシュ構築、アイデア発想、コンセプトスカルプトの分野で迅速に進める方法を提供します。Stroke機能の追加により、強力なブラシシステムがさらに進化しました。

ナイフブラシの機能が改良され、分離したパーツが保持できるようになり、アセット操作をより自由にコントロールできるようになりました。スライスしたパーツをアクティブに保ちながら、既存のパーツから複雑なコンポーネントパーツを作成できます。

モデルに施された他のスカルプトを失うことなく、アンドゥ履歴を部分的に戻したいと思ったことはありませんか?Historyブラシを使えばそれが可能となります!このブラシは、モデルのアンドゥ履歴を使用し、ブラシの効果範囲のみに限定して適用します。別の用途でも活用でき、トポロジーの違いを気にせず、アンドゥ履歴を1つのメッシュからもう1つのメッシュに投影できます。

Artist: Poligone

これら3つのブラシは、モデルのディテールから新しいアルファやテクスチャへ再利用できるように変換するブラシです。ディテールを取得したい表面のエリアをストロークでなぞるだけです。取得したディテールは同じメッシュでも再利用できるほか、その他モデルにも将来的に使用できます。

新しいベクターディスプレイスメントメッシュ(VDM)を活用し、あなたのアルファコレクションを拡大させよう。これらはモデルの表面に描くことができるメッシュの基礎構造であり、アンダーカットが使用できます。例えば、鼻の鼻孔までを含む内容を一回のブラシストロークで描けたり、耳の表と裏を両方完全に含んだものであったり、曲がった指、角度のついた鱗や、さらに開いた口など。これらを深度やディテールを失くことなく描けます。

ベクターディスプレイスメントメッシュはスカルプトをすることで、リアルなオーバーハングを作成します。これで数百万のポリゴンに正確なディテールを乗せ、作品を昇華しましょう。