Hooked – 動きまわるタコの足 image

Hooked – 動きまわるタコの足 Cinema 4Dによるハイエンドなキャラクタアニメーション

Cyber​​time studiosは、以前からキャラクターアニメーターとしてのスキルをアピールし、名前を知ってもらうため、キャラクターを中心としたアニメーションのショートフィルムの制作を検討していました。しかし、生活のためにはクライアント向けの仕事をこなす日々で、そのプロジェクトは何度も延期されてきました。そして、長い時間の末「Hooked」のコンセプトを創り上げました。6人のチームより、Cinema 4D R13を起ち上げ、タコのミュージカルの映像化をスタートしました。

キャラクタアニメーションは、それ自体が非常に複雑で、人型のキャラクタが歩くだけでなく、物の動きやタイミングなどの技術も必要になります。Cyber​​timeのようなスタジオでは、「Hooked」のようなプロジェクトは、一個人で全て行うわけではありません。Cyber​​timeではチームとして、モデリング、リギング&コンストレイント、シェーディング、テクスチャ、アニメーション、レンダリングの専門分野ごとに、各スペシャリストの手によって作品を完成させます。

こうしたリアルなショートフィルムを作成するキャラクタアニメータには、作業にあったキャラクタが必要です。そのため、Cyber​​timeでは、まずどんなキャラクタを動かすかということを考え、最終的にハイエンドなキャラクターアニメーションを見せるプロジェクトに決定しました。キャラクタには、人間や四足の動物、昆虫などが候補に上がりましたが、最終的なアイデアとして、タコのアニメーションに決定。このタイプの生物は、アニメーションの分野で一般的ではありませんが、リグを作るリガーやアニメーターのスキルを強くアピールできます。最後にタコの制御システムは、各足にある2つのコントローラに、キーフレームを設定するだけでアニメーションが作成できる洗練されたものになりました。その他の部分はプロシージャルで、ロッキングや揺れる動き、足の曲がりはスライダーを使って制御します。

8本の足のアニメーションに加えて、体と口のアニメーションも必要でした。タコはしゃべりませんが、海中でボイスパーカッションで行う設定。タコの特殊な口の動きは、非常に技術的に高いハードルで、チームは、実際のボイスパーカッション奏者の口の動きを研究して、タコに合わせていきました。また、タコの皮膚の質感も重要な点でした。可能なかぎりリアルな3Dを再現するため、タコの皮膚の性質に関するドキュメンタリーを深く研究。実際タコの皮膚は非常に面白い性質を持っており、半透明で、色や構造を変化します。そして、タコの皮膚をリアルに見せるには、これらの特性の再現が必要でした。皮膚は、主にプロシージャルのマテリアルを使っていましたが、ペイントレイヤーとCinema 4D R13のサブサーフェイス・スキャタリングを加えて作成。最終的なマテリアルは、36のシェーダを組み合わせたものになり、あらゆるシュチュエーションに対応できるマテリアルになりました。例えば、サブサーフェイス・スキャタリングのコントラストは、別々のシェーダで、個別に動かすことができます。

完璧な世界では、このような複雑なプロジェクトのすべての作業を時間内に完了するには、すべてを同時進行する必要があります。これは、Cinema 4Dの外部参照を使うことで対応。外部参照は、プランやシーン作成時に代理モデルで仮の動きを設定して、モデルが変更された場合も他のチームに変更済みのオブジェクトが差し替えが行われます。これにより、各チームメンバーが別のチームメンバーの作業を待つことなく、プロジェクトの作業をすすめられるという大きなメリットがあります。外部参照を使うことにより、個々のチームメンバーが、構造的にプロジェクトを進められるため、ボトルネックなく作業できたのです。

次のステップは、Cinema 4Dのマルチパス機能を使用したプロジェクトのレンダリングでした。各シーンのレンダリングパスは約30パス。それらの合成と微調整は、コンポジット段階で行われました。 こうした膨大なフレームのレンダリングは、6コアのインテル® Core™i7エクストリームエディションプロセッサをベースにした巨大なレンダーファームで対応しました。ショートフィルムのプレゼンテーションの直前まで、最終的なコンポジットの仕上げをラップトップマシンで行いましたが、なんとか発表の〆切に間に合いました。

その結果、すべての作業に価値があったことが一目でわかります。「Hooked」は、Cyber​​timeの卓越したスキル(その他の関連事項)だけでなく、Cinema 4D R13のすばらしいキャラクターアニメーションツールの可能性も見せてくれるすばらしいショートフィルムでした。


YouTubeにあるビデオ:
www.youtube.com/watch?v=LLaOSoNq0no

YouTubeにあるHookのメイキング:
www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=BrYLxRsqQfQ

Cybertime ウェブサイト:
www.cybertime.at