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A Curious Mind(好奇心) CreamVRとThought Café、Torus Mediaは、どのように360° VRで宇宙を探索するシリーズ制作されたのか。

Dominic Monaghan(ロード・オブ・ザ・リングやLOSTなどに出演)が司会をするHuluのA Curious Mindは、宇宙と科学に関する興味深い疑問を視聴者とともに探求するものだ。このシリーズは、カール・セーガンのコスモスにインスパイアされたというだけで十分魅力的だが、没入型の360°VR体験を提供することで、新たな領域に導いてくれる。

トロントに本拠を置くCreamVRは、HuluとMicrosoftのMRヘッドセットのラウンチのコンテンツ制作について話をした後、A Curious Mindを立案した。Monaghanを除くすべてがCGIだったため、CreamVRがアニメーションを担当し、VFXスタジオのThoughtCaféがMaxonのCinema 4D、After Effects、Canvas 360、CV-VRCamなどのさまざまなツールを使用して360°環境を制作。360°のレンダリングには、Cinema 4Dの標準レンダラーを使用された。

プロジェクトの方向性はかなり自由でしたが、CreamVRはなにか特別なものを作ろうと思った。たとえば、視聴者が画面の中で冒険しているようなものだ。それは、Thought Caféとって挑戦だった。というのも、Cinema 4Dで立体映像の一部をレンダリングしようとしたときに問題が発生したのだ。

今回、ThoughtCaféのクリエイティブディレクターであるJon CorbiereとテクニカルディレクターのTyler Sammy、そしてTorus Media LabsのCEO、Aden Bahadoriの3人から、チームでこの驚異的なシリーズをいかに制作し、Maxonの開発者からの少しの助けを借りて、技術的な問題を解決したかを聞いた。

Corbiere: Thought Caféは、デザイン・アニメーション・デジタルエフェクトのスタジオで、私たちは、教育やドキュメンタリー、原因追求をするコンテンツに集中しています。ここ数年、私たちのアーティスト、アニメーター、イラストレーター、プロデューサーは、VRの仕事について研究しています。実際、多くの業界がVRをどのように適合させるかを考えているためです。バーチャルリアリティは教育コンテンツにとって自然なものなので、私たちはあちこちで作品を作ってきました。 私たちはCreamVRからクリエイティブのいくつかを請け負いました。そして、彼らはこのプロジェクトに我々が参加したいかどうか尋ねてきました。

Bahadori: はい、CreamVRのクリエイティブディレクターの一人であるAndrew MacDonaldとは長い付き合いです。彼は早い段階で我々に連絡をくれました。というのも、ステレオス3Dカメラのトラッキングがとても難しいからです。皆、360°ビデオは、大変なフォーマットだと言います。それもあり、Mike Sevignyと私はTorus Media Labsを設立して、自社用のツールを作って始めたきっかけです。当時360°をカメラトラッキングできるツールはなかったので、Canvas 360を作り、他の人でもが使えるようにしました。

Corbiere: 当初から私たちは、このシリーズを既存のものとは異なるものにしました。固定されたショットではなく、私たちはたくさんの動くカメラとクレーン撮影をすることにしました。司会者が動かず360カメラの前に立って、周囲に何もないように感じるのはよくありません。固定されない状態で撮影し、キャラクターを別の背景に置きます。動きのあるカメラなら、見ているものがより本物らしく感じられます。ほとんどのアクションシーンは手持ちのカメラで撮影されていますので、Dominicを手持ちカメラをクレーンに載せてステディカム撮影のように見せようとしました。また我々は、彼の周りにグラフィックスを配置できるように、様々な角度と距離から撮影しました。

Sammy: 私たちはVRのコンテンツの消費者として、早くから見てきたので飽きていました。「これはイイやつだけど、なぜデキが悪いのだろうか?」といつも考えていました。私たちは、人々を飽きさせずに心を吹き飛ばす体験をしてもらいたいと考えました。CreamVRとの最初の会議では、技術的に一歩押し進め、3D空間や360°で行われていないことを実現することにしました。私たちはテクノドリーを使用する予定だったので、カメラから実際のデータを得られる予定でしたが、機材の貸出期間とタレントのスケジュールの都合がつかなかったため、AndrewはTorus Media Labsに連絡することを提案しました。

Bahadori: Canvas 360はシーンデータをAfter EffectsからCinema 4Dに持っていけます。しかし、私たちがステレオ3Dを導入したときには、トリックが必要でした。Canvas 360は立体視のワークフロー用に設計されたものではありませんが、共同設立者のMike SevignyはすでにTorus Media Labsの内部でS3D360ツールを開発していました。このとき難しい問題として、立体的なダイレクトなカメラの動きを立体視のレンダリングとシームレスに一致させることでした。ようやく私たちのステレオ3DツールCanvas STKがリリースされました。

Sammy: Thought Cafeは、テストの早い段階で正確なカメラトラッキングデータでは、シーンがレンダリングできないCV-VRCamのバグを発見しました。問題は、カメラが傾いているとシーンが正しくレンダリングできないのに、多くの映像はカメラを傾けて撮影していたことでした。私たちはMaxonに連絡して、プラグインを開発している開発者に連絡を取りました。「私たちはこのクレイジーなプロジェクトで、みんなこれに夢中になっている」と話しました。彼らは私たちに必要なものを理解し、CV-VRCamの初期のベータ版を使用させてくれたことで、傾いた映像もレンダリングできるようになりました。Cinema 4D R19以降は、この問題もありません。

Bahadori: このプロジェクトのR&Dは、新しいステレオ3DツールCanvas STKの基礎固めでした。大きな機能の1つに、Canvas STKを使用することで、3Dモニタと3D TVなどでサポートされている複数の異なる形式をプレビューできることがあります。つまり、カメラをどんな方向にも向けることができ、要素を配置するためにHMDを外さずに、実際の3Dメディア上で立体視画像をプレビューできるということです。

Sammy: 我々は、従来のWeb、放送、映画向けからインタラクティブなデジタルコンテンツを制作しながら、VR、AR、XR(クロスリアリティ)空間で新しいプロジェクトを開発しています。最近では、A Curious Mindで学んだことから、ライブアクションとコンピュータグラフィックスを組み合わせたユニークな教育体験を提供する2つの新しい立体360体験を制作しています。


クレジット
Mike Sevigny, Technical Director / Stereoscopic Tracker
Animation & VFX by Thought Cafè


Author

Meleah Maynardライター/編集者 – ミネアポリス, ミネソタ州