一つ屋根の下で image

一つ屋根の下で Fuchs & VogelはCinema 4Dを使って、Layer Groupのプレハブ住宅シリーズのすべてのビジュアルを100枚以上レンダリング。

Layer Groupは、不動産のスペシャリスト兼デベロッパーで、この10年間に530以上の住宅を建設している。住宅購入者は、すばらしい財政の計画とLayer Groupの完全なサービスの恩恵を受けられる。Layer Groupでは、顧客の個々のニーズを満たすため、流行の家からエレガントな都市住宅まで幅広いラインナップを持っている。

同社は、デザイン会社のFuchs & Vogelに、自社のラインナップの住宅の昼と夜の両方のビジュアライゼーションを依頼した。外観だけでなく、平均的な家庭の雰囲気を見せるためにインテリアの表現も希望した。そのためには居心地の良い快適な雰囲気を作り出すことが重要だった。Fuchs & Vogelは、スペックに沿っていればビジュアライゼーションのデザインは自由に行えた。すべてのエクステリアとインテリアの要素の作成は彼自身が行った。

Fuchs & Vogelは、住宅をCinema 4Dで完全にモデリング。そのため、彼らはすばやく図面を読み込み、大きさを合わせるPythonプラグイン「Blueprint Importer」を独自に作成した。このプラグインは、Fuchs & Vogelのウェブサイトで無料でダウンロードできる。これを使えば、時間を短縮し正確に作業が行えるというわけだ。

今回Fuchs & Vogelにとって、Octane Render.を使った最初の大きなプロジェクトだった。同スタジオの既存のオブジェクトライブラリは、Octaneマテリアルを使用していなかったため、最初はテクスチャなしで作業を開始。クライアントからクレイレンダリングによる承認を得てから、テクスチャとライティングに取り掛かった。

インテリアも同様の方法で作成された。まずは、クライアント承認用にテクスチャなしでレイアウトしたものを提出。その後アーティストは画像のマスクを作成し、チームのデザイナーがPhotoshopで色を合わせてとインテリアデザインコンセプトを作成。 これなら、求めるデザインができるまで3Dオブジェクトに、テクスチャや色設定の必要がないため、時間が大幅に節約された。

“テイクシステムは、特に大規模なプロジェクにおいて時間を節約し、ミスも減らします。”

クライアントが、各住宅ごとに異なる壁の色や屋根のタイル、窓と、昼と夜のそれぞれのビジュアライゼーションを望んだため、Release 17から導入されたCinema 4Dのテイクマネージャを使い、ワークフローの大幅にスピードアップが図られた。すべての住宅のバリエーションを1つのCinema 4Dファイルで作成できるため、変更があるたびに、このファイルを更新する手間が省ける。「テイクシステムは、特に大規模なプロジェクにおいて時間を節約し、ミスも減らします」(Christian Fuchs談)

住宅の周りの環境をリアルに見せるため、多数の樹木や植物など自然の要素を描くシーンに加えられた。グラフィックカードGeForce GTX 980 TIの6GBのメモリを超えないように、レンダーインスタンスを多用している。

最小限のコンポジットで満足のいく見た目に仕上げるため、Fuchs&Vogelは画像に加えオブジェクトバッファもレンダリングして、After Effectsで自由にグレーディングできるようにした。ただこのワークフローは、それほど効果的ではなく、すべての画像を作成する必要に迫られた。そのためデザイナーは、ライトとマテリアルを作り直す代わりに、レンダリング中Octaneカメラを連動させることにした。そして、細かい変更だけが、コンポジット段階で修正された。

振り返ってみると、Fuchs & VogelにとってCinema 4Dの安定性とテイクマネージャを使ったワークフローの向上により、この100以上画像をレンダリングした総合的なプロジェクトを成功に導いたと言える。


Cinema 4D Blueprint Importerのダウンロード:
https://www.fuchsundvogel.de/blog/2015-02-25-blueprint-tools
Fuchs & VogelのWebサイト: https://www.fuchsundvogel.de
Layer GroupのWebサイト: www.layer-gruppe.de


Author

Sebastian BeckerOnline Editor & Content Manager, Maxon