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MAXONのCINEMA 4D、Clifford Ross氏(ヴィジョナリーアーティスト)による未曾有の作品「The Austin Wall」の制作を支援 米国テキサス州オースティンに新設された連邦裁判所の大規模パブリックアート(ステントグラス作品)の制作上、優れた柔軟性と制御性を発揮した3Dソフトウェアとして評価される
米国カリフォルニア州Newbury Park – 2013年6月28日 – プロ向けの3Dモデリング、ペインティング、アニメーション、およびレンダリング用ソリューションの開発企業として世界をリードするMAXONよりお知らせいたします。皆様からご好評を頂いている弊社ソフトウェアCINEMA 4Dが、一流アーティストClifford Ross氏によるステンドグラス作品「The Austin Wall」のデザインプロセスに採用されました。この作品は未曾有のモニュメントとして、米国テキサス州オースティンに新設された連邦裁判所の庁舎内で6月18日から公開されています。その高さ、幅は共に約8.5m(約28フィート)、重さは約2.6t(約5,840ポンド)です。抽象的エフェクトのリアルさとカラフルさを両立させるため、CINEMA 4Dの高速かつ効果的な手続き型アニメーション機能によって制作されました。
ニューヨーク市にあるClifford Ross StudioでRoss氏とそのアニメーションチームは、実はこの作品を制作する何年も前からCINEMA 4Dを使っていました。CINEMA 4Dでは、短編および長編の没入型3Dアニメーション習作を柔軟に制作できるためです。その素材になったのが、同氏の撮ったSopris山(コロラド州)の高解像度写真です。これは「Harmonium Mountain」というタイトルで、一連のアートとしてまとめられました。これを発展させるべく、CINEMA 4Dのアニメーション機能によるシングルフレームを基に、最大幅が約4.9m(16フィート)の高解像度写真を制作する方法を編み出したのです。
「The Austin Wall」は、上下2つの部分で構成されています。下部の画像は写実的であり、一組のガラス製回転ドアとして機能します。上部の画像は抽象的であり、「Harmonium Mountain」のうち1枚の高解像度写真の小さなディテールから複雑な静止画を制作しようというRoss氏の意向が意匠化されています。これらの画像は、以前にCINEMA 4Dで作成され、このスタジオの豊富なライブラリにストックされていたレンダリング作品やアニメーション作品の中から選り抜かれた3D画像を利用したものです。その結果、印象的な抽象画に仕上がりました。長方形が多用されており、自然界において徐々に明らかとなる、自然の動きや発生を連想させます。自然界を飛び越え、空、水、土、葉のような色や風合いを帯びた、空想的で不思議な世界に入っているようにさえ見える所もあります。
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Ross氏にとってCINEMA 4Dで作成した画像は、「The Austin Wall」の上部に見られる複雑な抽象画を制作するうえで有効に機能した有機的要素なのです。「我々が存分に構築した3Dの世界は、風、重力、流水など自然界の多くの要素と、「Harmonium Mountain」のカラフルな抽象的要素に基づいています。これらを基に、CINEMA 4D上で任意の位置にカメラを配置すると、手続き型アニメーションの「マジック」が形として目の前に現れ、その画像が時間と共に発展する様子を見ることができました 」(同氏談)。
また、「自然は変化し、かつ複雑なものです。これら2つの事実こそが、私の作品制作上CINEMA 4Dが好都合だった最大の理由なのです。CINEMA 4Dは、色、形状、モーションによって私の表現力を豊かにしてくれました。それも21世紀ならではの、かつ千年にわたり受け継がれてきた技術を連続体に融合させる方法によってです。そのおかげで、オースティン市、連邦政府一般調達局、そして連邦裁判所のために、これほど大がかりなパブリックアートを制作することができました 」(同氏談)。
一方、Clifford Ross Studioでアニメーションディレクターを務めるLiron Unreich氏にとって難題だったのは、自然界に対するRoss氏の認識とビジョンに合ったデジタル世界を構築するのに必要な、かつそれを現代的な抽象芸術作品として表すのに必要なツールを同氏に提供することでした。
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「「The Austin Wall」のステンドグラスのデザインでは、非常にきめ細かいテクスチャとさまざまなサイズのパーティクルについて統一感を維持することを目指しました。そのためにアニメーションフレームをデジタル静止画に変換するには、想像を絶するほど高い解像度が必要だと分かったのです。カメラについては、絵コンテ作りやブロッキングの代用機能として、CINEMA 4DのMoGraphとXPressoの各ツールセットを用いました。これにより、多くのさまざまなエレメントを予想以上に制御できました。手続き型アニメーションにおいて、「自然の」パーティクルが生まれ、育ち、死んでいく環境を構築したのです。また、フレームのキャッシングやベイキングも行いました。この場合は、24000×35000ピクセルのフルフレーム画像を用いた、マルチパス機能による7つのレイヤーが必要になるのが普通ですが、CINEMA 4Dのおかげで目的の超高解像度を問題なく実現できたのです 」(Unreich氏談)。
なお、Ross氏は「The Austin Wall」の制作において、ステンドグラスのデザイン・製造会社として国際的に評価の高いFranz Mayer(ドイツ、ミュンヘン)の協力も得ました。
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「Clifford Ross氏とその制作チームとは、長年にわたり協力してきました。その中で、彼らのプロダクションパイプラインにCINEMA 4Dをなじませ、「Harmonium Mountain」という大きな難題にも対処してきました。Ross氏はアーティストとして、弊社のソフトウェアの限界を常に押し上げてくださっています。クリエイティブでインパクトの強いご経験が、あれほど素晴らしくかつオリジナリティあふれる「The Austin Wall」というパブリックアートとして実を結んだことに、弊社はこれ以上ないほど嬉しく感じております 」(MAXON US社長兼CEO Paul Babb談)。
Clifford Ross氏と「The Austin Wall」の詳細については、 http://www.cliffordross.comをご覧ください。
「The Austin Wall」はClifford Ross氏の作品です。ここに記載されている各商標は、各所有者の財産です。