Maxon Oneを使用してNetflixとDisneyのポスターを制作 Mondlicht Studiosが、魔法とリアリズムを融合させて、魅力的な2つのポスターシリーズを作成した方法を紹介。
ドイツに拠点を置くMondlicht Studiosは、元々自動車マーケティングに強かったが、TVシリーズのポスターアートを含む他のさまざまなクリエイティブ分野のコンテンツも制作している。Rhubarbとの長期にわたるコラボレーションの一環として、同スタジオは最近、Netflixの「暗黒と神秘の骨」とABCの特別番組「美女と野獣」30周年記念のポスターを制作した。
2019年に設立されたMondlichtは、既にPromax、Motion Design、Clioを受賞しており、デジタルアーティストの才能あるチームは、Cinema 4D、Redshift、ZBrush、Unreal、Blender、Adobeアプリケーションなどを含む洗練されたパイプラインを開発した。
私たちは、両方のポスターシリーズについてMondlichtチームに話を聞いた。
Mondlichtスタジオについて教えてください。
Mondlicht: 当社は、自動車、広告、エンターテイメント、その他のビジュアルメディアプロジェクトを専門とするクリエイティブなCGスタジオです。時間をかけて、私たちのレパートリーを多様化させ、医療、美容、食品、さらに広範なエンターテイメント分野にわたるプロジェクトのための製品アニメーション、キービジュアル、キャンペーンを導入しました。
最初に自動車プロジェクトにフォーカスしたのは意図的なものでしたか？
Mondlicht: はい、チームが持つ強い自動車関連のバックグラウンドを活かし、初期段階からそれに重点を置きました。私たちのCEOの一人であるDavid Schaeferは、スタジオを設立する前に10年以上メルセデス・ベンツで働いていました。しかし、2020年以降、Lucid Motorsと緊密に協力する機会を得て、フルCGアニメーション、イメージ制作、ポストプロダクション、モデリング、R&Dなど多岐にわたる分野でサポートしています。
昨年11月、Lucid MotorsはLAオートショーでLucid Gravityを披露し、私たちのチームが作成したコンテンツがグローバルな発表を強化したことを非常に嬉しく思っています。BMW、メルセデス、日産、セトラなど他のブランドとも仕事をしてきました。
私たちは車が好きなので、自動車プロジェクトに対する熱意を持ち続けています。複雑な自動車プロジェクトを扱えると、その経験とスキルセットをほぼどんな他の製品や課題にも応用できるからです。
NetflixとDisneyの2つのポスタープロジェクトを手に入れた経緯を教えてください。
Mondlicht: Rhubarbとのコラボレーションは長年にわたり、私たちはそのパートナーシップを非常に大切にしています。特にAndrew IrvingやRyan JonesといったRhubarbのクリエイティブチームとの仕事はいつも楽しいです。彼らのビジュアルコンセプトの開発に関する専門知識は膨大で、彼らと一緒にプロジェクトに取り組む機会をいつも心待ちにしています。
ポスタープロジェクトは他のプロジェクトとどう違いますか？
Mondlicht: ポスタープロジェクトの興味深い点の一つは、プロジェクトを開始するときに、製品の詳細なビューを得られないことがあるということです。映画やシリーズがまだ公開されていない、または開発中の場合、私たちは主にブリーフィング、ムードボード、そしていくつかのコンテキストに依存します。
残りを解読するのが私たちの仕事であり、美しいアートにすべてを具体化するという挑戦が、このプロセスをとても魅力的にしています。時には多くの自由があり、また別の時には、既に定義されたアイデアで作業することもあります。
その上、あなたの作品は、しばしばその内容の創作者である、その内容に深く精通した人々によって精査されます。彼らは意図されたムードやトーンに対する深い理解を持っています。したがって、クライアントの理解を深めることは非常に重要です。これにより、描かれるべき正確な感情や最適なアプローチを特定し、私たちのデジタルアートの技術をすべてのプロジェクトで活用することができます。
良いアートディレクションはプロジェクトの成功の鍵であり、CEOのDmitriy GlazyrinとDavid Schaeferの幅広く多面的な経験のおかげで、チームは常に明確な方向性を持っています。
「暗黒と神秘の骨」のメインポスターの制作について話してください。
Mondlicht: このポスターに関しては、Rhubarbから特定のシンボルとその形状に関する初期の指示がありましたが、クライアントが承認するビジュアルを考案するために、Rhubarbのクリエイティブチームと一緒にR&Dを入念に行い、アイデアを練り上げなければなりませんでした。この種のプロジェクトでは、ルック開発プロセスが最も重要であり、適切な雰囲気を伝えるためには、マテリアルとライティングの微調整が不可欠です。
モデリングにはZBrush、Cinema 4D、Blenderを使用し、3D制作にはCinema 4DとRedshift、最終的なルックを得るためにPhotoshopを使用しました。プロモーション素材では、できるだけ効率的にゴールに到達できることが重要です。このようなポスターは、一目でシリーズとの強力なつながりを喚起しなければならないため、多くの探求が必要で、通常は厳しい納期が設定されています。
そのポスターシリーズを作るプロセスを教えてください。
Mondlicht: 最初のリクエストはシンプルでした：英雄たちが使用する武器や彼ら固有の力を想起させるシンボルを作ること。Rhubarbは、ほとんどのキャラクターに対して明確な指示と詳細なムードボードを提供しました。一部のシンボルは、ゼロからビジュアル表現を構想する必要がありました。Rhubarbと一緒に、私たちは15のキャラクターポスターとシリーズのキーアートを作成しました。
例えば、風を操る能力を持つスクエラー、Zoya Nazyalenskyのシンボルを作るために、私たちのチームの多様な才能を活用しました。私たちのチームのAnton VereinとIlya Nodiaは、Dmitriyのアートディレクションのもと、伝統的なパイプラインを使用して、紙とデジタルの両方でアイデアを練り上げました。
一方で、私たちのクリエイティブプロデューサー、Zhanna Travkinaは、AIツールを使用して、将来の可能な開発のためのシンボルの異なるバリエーションを取得しました。AIは、特定のタスクに基づいて堅牢な作品を作成するのに適していませんが、初期のドラフトには最適で、さまざまなオプションを混ぜ合わせて、クライアントに高品質な結果を提供するための最良の方向性を選ぶことができます。
すべてのコンセプトが承認され、各シンボルの主要な方向性が固まった後、私たちは本格的に制作に取り組みました。モデリング部門のSven Gieraは、シンボルのためのしっかりとした基盤を準備しました。次に、ZBrushでいくつかを洗練させ、細かいディテールと微妙な不完全さを取り入れて、フォトリアリスティックな仕上がりを達成しました。
モデリングフェーズが完了した後、私たちはルック開発に移行しました。マテリアルのセットアップは一見シンプルに見えるかもしれませんが、マテリアルの開発と照明に多くの実験が必要でした。輝くものを素晴らしく見せるのは挑戦であり、DmitriyはRedshiftで素晴らしいトリックを使用してマテリアルに魅力的なルックを与え、マイクロディテールで表面を荒くして説得力のあるものを得ました。
「美女と野獣」キャラクターポスターはいかがだったでしょうか。
Mondlicht: このシリーズのために12枚のポスターを作成しました。これらは、オリジナルの映画の壮麗さと現代的な解釈を融合させています。キャラクターポスターのブリーフは非常に明確でした。私たちは、オリジナルのアニメのデザインに触発されたステンドグラスの窓を、俳優たちの写真と組み合わせて作成する必要がありました。
アニメのヒーローと俳優を融合させることで、どの俳優がどのキャラクターを演じているかを示し、ポスターに魔法のような、魅惑的で、おとぎ話の雰囲気を加えました。これは、ディズニーや特にこのプロダクションにとって完璧でした。
まず、Illustratorで窓のアイデアを構想し、モデリングフェーズのためのしっかりとしたデザイン方向性を作りました。これにより、ワークフローを効率化し、キャラクターポスターの全ての3Dモデリングをわずか1週間で完了することができました。最大の課題は、オリジナルのディズニーの魅力を保持することでした。
窓のモデルが完成すると、ルック開発に移りました。アニメのカラーパレットからインスピレーションを得て、窓を古典的なアニメーションの雰囲気とさらに結びつけ、同時にキャラクターに合わせて色を調整しました。最後に、これらのポスターの要となったのは照明でした。これは、おとぎ話のムードを喚起するだけでなく、キャラクターを強調し、視聴者の注意を引きつけます。
本や舞踏室の環境を作成する過程はどのようなものでしたか？
Mondlicht: 本と舞踏室を特徴とするポスターは、ユニークな課題を提示しました。完全に本でできた3Dセットを作ることは比較的簡単でしたが、舞踏室を再現するのは興味深い作業でした。なぜなら、オリジナルの映画の空間を反映しつつ、フォトリアリスティックな仕上がりを実現することが重要だったからです。
オリジナルのアニメを、リアリスティックで高い詳細を持つ舞踏室に変換し、オリジナルの雰囲気を魅了することは特に難しかったです。Svenは、古い映画のフレームを解釈し、非常に詳細な舞踏室を作成する上で素晴らしい仕事をしました。
モデリングプロセス中、特に舞踏室の窓の精度を確保することが重要でした。なぜなら、これらはキャラクターポスターにも組み込まれるからです。よく見ると、窓は単なる抽象的なデザインではなく、舞踏室の不可欠な要素であることに気づくでしょう。その空間はアニメの中心であり、最も象徴的な設定の一つとして際立っています。
これらのプロジェクトに対するフィードバックはどうしたか？
Mondlicht: 両方のクライアントとRhubarbは、成果にとても満足してくれました。これらのポスターは注目を集め、Entertainment WeeklyやColliderに掲載されました。このような広範囲にわたるカバレッジには本当に満足しており、これらのポスターの成功が、このような作業をさらに増やすきっかけとなることを期待しています。
Mike Hoiumは3Dアーティストで、Maxon Oneのユーザーです。